私の隣の殺人者 (2010) 韓国

[1037]この傑作を前に私が口を噤みたくなった理由とは?(笑) ★★★★★☆

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アルピニストの野口健なる人物が韓国で日本人差別を受け、
韓国を訪れる「日本人旅行者が減るのも無理はない」と、
ツイッターで不満をあらわにしたという。

差別の内容は…、
タクシーに乗ったら、日本人か、降りろ、
乗ったんだから運賃を払え、と言われたというものである。
もう一件は、サウナに入ると、日本人は出ろ
と追い出されたというものである。

で、不快を露わにし、「一部の人の対応かもしれないが
日本人旅行者が減るのも無理はない」とコメントしたらしいが、
なんだ、全然たいした差別じゃないじゃないか、
これがニュースかよ、と私は笑ってしまう(笑)。

野口なる人物にも唖然、茫然として、開いた口が塞がらない。

腹が立つのはまあわからなくはないし、
また腹を立てていいとも思うが、
韓国に行って日本人差別を体験したら、一方で、
なんで韓国人はこんなに日本人差別をするんだろう
と考えるのが普通だろ(笑)。

なのに差別されたことばかりを根に持ち、
「日本人旅行者が減るのも無理はない」と
反韓感情を煽るようなことを平気でツイッターする輩。
40歳。気持ち悪いんだけど(笑)。

そうよね、あなたってきっとそういう人間なのよね、
だから差別されちゃうんだよね、されてもしょうがないよね、
と私は思うよ(笑)。

ほんとうは「日本人差別」ではなくて「日本人攻撃」と
言ったほうがいいのだろうが。

これが平均的日本人。
徹底して被害者意識しか持てない、日本人。
加害者意識などまったく持とうとしない、日本人。

まして戦争も戦後も、
そして歴史も知らない、知ろうともしない人間が大半を占めると、
それが「普通」「常識」「正義」になる。

信じらんない。ああ恥ずかしい。
日本人はほんと病気だよねえ、と私は真面目に思う(笑)。

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田舎町の山中からまだ幼い子供の遺体が発見される。
劣等阿呆刑事2人を中心に事件の捜査がはじまる。
阿呆のひとりは…、ジャン!

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超久しぶりのおらがシン・ヒョンジュン…、チャンシク刑事。
酒と女が大好きで、万年巡査長。
女房はとうぜん愛想を尽かして離婚。
これまたケンカしか能のないバカ息子(中学生?)との
二人暮らし。

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中央、その息子、ギョンス(ノ・ヨンハク)。
きょうもノコギリで暴れて学友を医務室送り。
きょうも学校に呼び出されて平謝るわれらがダメおやじ
シン・ヒョンジュン(笑)。

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もうひとりの阿呆は、いちおう超2枚目なのだが、
刑事の仕事は片っ端から殴って吐かせることだと信じて、
「阿呆あほ~」とカラスに笑われているテウォン刑事(笑)。
カク・チェヨン監督に可愛がられたイ・ギウだよ~。
左の阿呆ダコは誰かなあ~?(笑)

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テウォンの父親は認知症である。
少しは可愛いとうちゃんの面倒看てやれよと思うのだが、
阿呆だから邪魔者くらいにしか思ってない。
バチ当たりめ。嫁の来てがないのは当たり前だっちゃ。

まずは被害者の身元特定をば、と出歩くのだが、
2ケ月かけてもさっぱり手がかりがない。お手上げ。

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と、ヤケ酒、ヤケ飯食らっていたら、偶然、
「失踪した子供」を紹介しているテレビ画面に被害者そっくりの
子供の顔を発見。
阿呆、間抜け、最初に当たるべきだろ、そこ。

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失踪した子の名前は、チョン・ミョンファン君。
母、コ・ヨンスク。父、チョン・インス。
3人兄弟の末っ子。自閉症児。
一家はなぜか引っ越しを繰り返していることがわかる。

被害者の子と、
このミョンファン君がはたして同一人物かどうか
内偵捜査がはじまる。

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その捜査になぜチャンシク刑事の息子が同行してるのか?
理由はただひとつ。
また暴力沙汰を起こし、親たる者、しばらく息子を保護観察しろ!
と、先生に怒られた訳だべ(笑)。

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その捜査中、
左のおかまさんに「あら、そのカール睫毛、ステキね」と
惚れられてしまうおらがシン・ヒョンジュン(笑)。

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しかし、
失踪したチョン・ミョンファン君の一家を知るひとの話や、
福祉課に残された母親の記録などから次第に
一家の「過去」が明らかになるにつれ、
阿呆刑事のチャンシクもテウォンも笑っていられなくなる。
もちろん観ている私も…。

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左、ミョンファン君の母親…、ワン・ヒジ。
右、ミョンファン君の母親…、チョン・ノミン。

父親は商売をしていたが倒産し、借金を負う。
しかもひとが良く、友人の借金まで背負う。
悪質金融業者から金を借り、やがて借金は膨大な金額に…。

そのひとりからある時、とんでもない話を持ち込まれる。
無利子でこの金を貸すから子供を産め。
産んだその子に5件の障害保険をかけ、この金で払え。
生まれて100日たったら車に乗せて、通りに止め、買い物をしろ。
おれの手下が駐車するフリしてぶつけてやる。

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子供は死ぬか、重大な障害を追う。
それでいま抱えている借金は一発で返済できる。
なに、債務者のほとんどはもっとひどいことをして借金を
返済してるんだ、と。

母親は3人目の子を…、ミョンファン君を妊娠するが、
苦悩し、とうていそんなことはできないと保険を解約、
悪質金融業者に金を返す。

ミョンファン君は自閉症を患う子として産まれる。
母親の心的不安と苦悩が影響したのだ。

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両親はミョンファン君を愛し可愛がるが、生活は大変である。
大好きな人形が見えなくなると、火がついたように
喚きはじめる。

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大きな、激しい音が好きで、ちょっと目を離した隙にいなくなる。
そのたびに探しまわらなければいけない。

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火遊びをして、家事を起こし、家が焼けたこともある。

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父親はタクシー運転手。
貧に窮しているので母親もミョンファン君を連れて
仕事をしようとするのだが、
ミョンファン君が途方もないことをしてしまうので、
どこに行ってもすぐに首にされる。

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それでも両親はミョンファン君を愛し、

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兄や姉も可愛がって、
できる限りミョンファン君と一緒にいてあげようとする。

そんな生活の中で、一家は、
金融業者の手から逃げのびるために引っ越しを繰り返す。

福祉課に援助を申請したこともある。
一家の優しい人柄を知るひとたちも署名運動までするのだが、
福祉金は下りない。
なぜか国は援助の手を差し伸べない。

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捜査陣はついに被害者の子と、
ミョンファン君が同一人物である証拠を掴む。
一方で、父親が殺害推定日に義妹の車を借りた情報も入手。

生活苦と、死んだほうが
ミョンファン君も幸せではないのかとの思いから、
父親が殺害したのではないかと逮捕するのだが…、
というお話。

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この映画、じつは現実に起きた事件を描いている。
まったくお隣の韓国だけの話ではなくて、
高齢社会の日本、
子よりも自分をなにより最優先する日本でも似たような事件が
ゴロゴロしてるよな、と観てて胸が痛くなる。

もちろん阿呆刑事の2人+バカ息子も自らを恥じ、
心をすこし入れ替える(笑)。

で、この映画、みんなどんな気持ちで観てるのかと知りたくなり、
観終わったあとじつは少しサイトを覗いてみた。
以下、そのコメントの引用をちょっとばかり…。

「刑事たちや被害者家族を取り巻く重苦しい状況を見せつつ、
家族とはなんぞやという普遍的なメッセージを時間軸を駆使して
発信してくるわけですが、
なかなかシリアスに迫ってくるので観る人によっては
ゲンナリしてしまう可能性もあるかと思われます」

「脚本と構成の上手さから考えると、家族愛をテーマにした
素晴らしく良く出来た作品だとは思いますが、
『これ、面白いよ』とは口が裂けても絶対に言えないし(嘘でも言えない)、
進んで観て欲しいと人様にお勧め出来る様な作品ではない事は
確かです」

「なんだろコノ人情系、韓国ドラマだとあるあるだけど、
殺人事件絡めることはなかったでしょ」

「心温まる人間愛というよりは、、
介護+貧困といった負の連鎖がテーマで、暗い。
借金取りの提案など無茶苦茶で、話を作りすぎって思うけど…」

だよね、これが平均的日本だよね。
と、私はまたもただ笑うだけ。
いまの日本人にとって映画とは、
コンビニに並んだおいしいお菓子と同じなんだよね。
いいんじゃないの(笑)。

と、こうしたコメントを読んだばかりに
私はすっかり書く気を失ってしまった訳だが、
萎える気持ちを振り絞って一言だけ言っておこう(笑)。

はい。すごく面白くていい映画です。
ぜひ観てくださいな。


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■98分 韓国 犯罪/ドラマ
脚本 ミン・ビョンジン
監督 ミン・ビョンジン
撮影 チ・ギルウン
音楽 ソン・ジュンソク
出演
シン・ヒョンジュン チョ・チャンシク 刑事 強力3班 警長
ワン・ヒジ コ・ヨンスク ミョンファンの母
チョン・ノミン チョン・インス ミョンファンの父 タクシー運転手
イ・ギウ イ・テウォン 刑事 強力3班
チョ・サンヨン チョン・ミョンファン 被殺者
キム・ソヒョン チョン・ミョンヒ ミョンファンの姉
パク・チャンイク チョン・ミョンチョル ミョンファンの兄
チョン・ウォンジュン ソ班長 強力3班
キム・ヨンウ キム刑事 強力3班

<殺人の追憶><あいつの声><カエル少年失踪殺人事件>に続いて衝撃的な実話を基に作られた映画の脈を引き継ぐ典型的な犯罪ドラマ。
特技は,町内おばさんの夫の不倫調査,趣味は,町の宴に行って派手にマッコリ飲んで酔うこと。毎度昇進のたびに滑ることをご飯を食べるようにするチョ刑事には,一日一日の人生が疲れるばかりだ。
ある日,ケラン里の後方の山で発見された子供の死体。突然に事件を受け持つことになったチョ刑事と彼のパートナーのイ刑事は,久々に実力を発揮してみようと頭でない足で走る本物捜査を始めるが,事件は身元確認をする最初から簡単には解けない。
絡まった事件の決定的な糸口を子供の家族を通じて探すことになる二人。しかし,犯人の存在は,誰も予想できなかった人物であった。
犯人を捕まえなければならない刑事としての責任と,誰かの父であり,息子として存在する自分たちの現実の間で悩む彼らは,結局残酷な世の中に堂々と対立して戦う。

 

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