魔女と呼ばれた少女 (2012) カナダ

[1042]アフリカ的な風景は眺めているだけで癒される ★★★★☆☆☆

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コンゴ紛争のさ中、
数奇な人生を辿ったひとりの少女の物語。

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12歳の少女コモナの暮らす村は
ある日突然、反政府軍の兵士たちに襲撃される。

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反乱軍はコモナに銃で両親を殺害させ、
数人の子供たちと一緒に拉致する。

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ゲリラ兵士として養成するためだ。

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コモナに魔力が生まれる。
危機に瀕すると亡霊たちが見え、難を逃れるのだ。
コモナは、食糧代わりに飲まされる白い樹液のせいで
幻覚が見えるのだと信じている。

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いつしか周囲から「魔女」と呼ばれるようになり、
反乱軍のリーダー、グレート・タイガーのもとに置かれる。

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そのコモナに
じつは当初からひそかに好意を寄せている少年がいる。
マジシャンだ。

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マジシャンは、彼女と一緒に政府軍を斃したある日、
彼女に一緒に逃げようと言う。
タイガーといると魔女はいずれ殺される、
おれはそんな魔女をたくさん見てきた、と。

コモナはマジシャンと逃亡する道を選ぶ。

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逃亡中、マジシャンはコモナに結婚を申し込む。
コモナは、「白いオンドリ」を探してくれたら、と返事する。
両親に結婚を申し込まれたらそう言えと
教えられていたからだ。

逃亡は、白いオンドリ探しの旅に変わる。

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ある日ようやく、
白いオンドリを知っているという奇跡的な男に出会い(笑)、
案内してもらう。

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たしかに案内された村にいた!
マジシャンはその白いオンドリを捕まえ、コモナに贈る。
愛し合う二人はめでたく結ばれる。

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マジシャンはコモナを連れて、
「肉屋」をやってる叔父のもとへ行く。

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マジシャンのことを心配していた叔父は、
怒りながらも喜び、二人を家族として迎え入れる。

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叔父の仕事を手伝いながら幸せに暮らしていた二人だったが、

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ある日突然、魔女コモナを探していた反乱軍が現れ、
マジシャンは殺害、コモナは拉致される。

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拉致されたコモナは反乱軍のボスの女にされ、
やがて妊娠する。

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そのころからコモナの前にまた亡き両親の亡霊が現れ、
彼女を苦しめる。
コモナは、自分が両親を埋葬してやらなかったからだと
考える。

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そしてある日、ボスに策を弄し、隙を見て逃亡、
ひとり故郷の村へ向かう。

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が、肉体的苦痛に耐えられず、村に駈け込んだはいいが、
幻覚に苛まれ銃を乱射、囚われてしまう。

苦しむコモナに同情した心優しい兵士が
ひそかに彼女を連れ出し、
「肉屋」の叔父がいるという村へ運んでやる。

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コモナが肉体的苦痛に陥ったのはじつは、
反乱軍のボスを陥れるため膣に異物を入れ込んだせいだ。
叔父の妻がその異物を取りだしてやる。

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だが幻覚のほうはますますひどくなり、
彼女を狂気に陥れる。

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両親を埋葬しなければ、と
叔父夫婦には内緒で家を抜け出し、また故郷へ向かうのだが、
途中、陣痛に見舞われる。

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コモナは川岸にボートを着け、
ひとりのた打ち回りながら出産を果たすのだが、
彼女はまだボスの子であるこの子を愛する自信がない。

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ともあれその子を連れて
ようやく荒れ果てた故郷の村へ辿りつく。

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彼女はまだこの世に留まっている両親の亡霊を
目の当たりにする。

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焼け跡から両親の遺品を探しだしたコモナは
その遺品を埋葬する。
「さようなら さようなら おとうさん 
さようなら さようなら おかあさん」
と、ひとり別れを告げながら。

両親は安心したかのように彼女の目の前から去っていく。
(画像の左端に両親の背中が見えてるよ)

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コモナは故郷の村に別れを告げ、
子を抱いて肉屋の叔父夫婦のもとへ向かう。

いつしか不思議とわが子を愛せる気持ちになっている。

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コモナはその子を「マジシャン」と名付ける。

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きっと彼のように強くて勇敢な子になるに違いない
と思う…。


物語もさることながら、
この映画に言いようのない魅力を感じている。
おそらくここに紹介したような映像=風景のせいだろう。

このアフリカ的な風景を見て
「未開の国」と言うひとがいるかもしれない。
が、私は「未開」とはすこしも思わない。

未開なのではなくて、
西欧的な文化ではけして取り込むことのできない風景が
ここにはあるのだと思っている。

この風景は、西欧的な「知」ではけして理解できない
身体的な風景なのだ、と。

そしてこうした風景をこうやって眺めていると、
いつしか途方もなく癒されている自分に気づく。


■90分 カナダ ドラマ/戦争
監督: キム・グエン
脚本: キム・グエン
撮影: ニコラ・ボルデュク
出演
ラシェル・ムワンザ コモナ
アラン・バスティアン 隊長
セルジュ・カニアンダ マジシャン
ラルフ・プロスペール 肉屋のおじさん
ミジンガ・ムウィンガ グレート・タイガー

これが長編4作目となるカナダ人監督キム・グエンが、アフリカの少年兵問題を背景にコンゴで撮り上げ、アカデミー賞外国語映画賞にもノミネートされた異色の戦争ドラマ。反政府軍によって無理やり兵士にさせられた少女が辿る壮絶な運命を、過酷な現実描写の中にリリカルな幻想的映像を織り交ぜ描き出す。主演は本作の演技でみごとベルリン国際映画祭女優賞に輝いた新人、ラシェル・ムワンザ。
紛争の続くアフリカ、コンゴ民主共和国。平穏に暮らしていた12歳の少女コモナの村も反政府軍の襲撃を受けてしまう。さらにコモナは兵士として拉致され、その際、自らの手で両親を銃殺することも強要される羽目に。やがて兵士となった彼女は、戦闘中に亡霊に導かれて窮地を脱する。亡霊が見えるコモナは、ボスからも“魔女”と崇められるようになった。そして、ある時コモナは、彼女に想いを寄せる少年マジシャンと2人で逃亡を図るが…。


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