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zoom RSS 道頓堀川_1 (1982) 日本

<<   作成日時 : 2015/03/20 14:44   >>

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[1082]バブル最盛期、深作はなぜこの作品で「戦後」を描いたのか

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宮本輝の「泥の川」「蛍川」に続く三部作・完結編ともいえる
「道頓堀川」を深作欣二が映画化したもの。
たしか松坂慶子を主演に初めて撮った作品。
例によって私のいい加減な記憶なので当てにしないでね(^^♪

舞台は大阪ミナミの繁華街・道頓堀。時は現代。
現代っていつ頃か?
ごめん、原作を読んでいないのでそこまでは知らない。
宮本輝、「泥の川」と「蛍川」あたりまでは読んでたんだけどなあ(^^♪
ま、あとでわかるさ(笑)。

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美術学校へ通う邦彦(真田広之)は、
早朝、道頓堀川の風景を描いている時、
飼い犬を追いかけてきた美しい女、まち子(松坂慶子)と出会う。

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まち子の飼っている犬コタローで、前足の1本が不自由。
彼女のもとに迷い込んできたので飼い始めたのだが、
脚については「生まれつき」ではないかと語る。
先に言っておくと、このコタローは彼女自身のことを表わしている
と言ってもいい。
あるいはこの後に登場する道頓堀で暮らす人物たちのことを。

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まち子は邦彦の描いている絵を見て言う。
「ドブ川の道頓堀川がこんなに綺麗になるなんて」と。
ここまででこの映画の主題はすでに明らかにされている。
ドブ川に等しい道頓堀での今の人生から「脱出したい」というものだ。

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邦彦は夜に仕事をしている道頓堀川沿いの近くの喫茶、
「リバー」に戻る。1年前、母が死んだ後、
高校時代の同級生である政男の父親・武内(山崎努)に、
この店で働かせてほしいと頼み込み、以来、喫茶の階上で暮らしている。
折しもその日は母の命日で、彼の父親代わりを自認する武内と
母の納骨をすませる。

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その後、ハスラー暮らしをしている政夫(佐藤浩市)に会い、
頼まれて一緒に道頓堀のビリヤードへ行く。
ヤクザの渡辺(渡瀬恒彦)と30万円を賭けた勝負をするためだ。

そんな暮らしをしているため実は父・武内と衝突し、家を出ている。
武内が息子を戒めるのは自分もまたハスラーだったからだ、
それも伝説として残る…。
もちろん政夫もそのことは先刻承知である。

すでにジャブにやられている渡辺は勝負に負け、金は
クラブ・ロンドンで働いている女房・さとみに貰ってくれと言い残す。

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二人はクラブ・ロンドンへ行き、踊り子のさとみ(古館ゆき)に会う。
さとみは思いがけず高校時代の同級生だった。
彼女はいまは15万円しか払えない。残りは後日払うと追い返す。

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夜、武内は精進落としだと言い、邦彦を行きつけの小料理屋
「梅の木」へ連れていく。
邦彦はそこでさち子にまた会う。「梅の木」のママだったのだ。

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そして帰途、武内の口からさち子には
淀屋橋で不動産業を営む田村というパトロンがいることを知る。
5年前、田村が新町で芸者をしていたさち子を引かせ、
店を持たせたのだ。

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翌日、すでにまち子に惹かれていた邦彦は淀屋橋へ出かけ
田村という男を確認する(笑)。笑いは何か? 
田村、おらが安部徹さんやったからや。イチイチ気にせんといて(^^♪

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数日後、さち子は
犬コタローの姿が見えなくなったと武内の店に駈け込む。
邦彦が一緒に探すのを手伝うことになり街へ出る。
左はこの店の常連客のひとり、かおる(カルーセル麻紀)。

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性障害者の彼は女として夜の街で働き、陽気に生きている
ように見えるが、実は三味線流しの石塚(柄本明)と暮らし、
稼いだ金をすべて取られているばかりか暴力まで振るわれている。
それでも別れられない。別れても行くところなどどこにもないからだ。

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さち子と邦彦はコタローを探すが見つからず、いつしか初めて二人が
出会った橋へ出る。そして「コタロー、もう帰って来へんわ」と言ったあと、
さち子は邦彦と口づけを交わす。
彼女が邦彦に惹かれたのは、彼がドブ川ではなくきれいな道頓堀川に
思えたからだ。自分が生きてきた世界にはいない男に…。

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政夫は残りの15万円を払えと、風邪で寝込んでいる
渡辺の女房・さとみのアパートへ押しかける。
今日の賭け試合の軍資金にするためだ。
だが彼女は金は一銭もない、私を犯したいんだったら早く犯して帰って
と投げやりに言うばかり。

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千日前にあるビリヤード「紅白」へ行き勝負相手に謝ろうとすると、
ビリヤードの女経営者・ユキ(加賀まりこ)に窮地を救われる。
ユキは噂に聞いていた政夫が伝説のハスラー武内の息子だと知る。

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さち子は店を臨時休業にしたある日、
コタローを一緒に探してくれたお礼に何かご馳走したいと邦彦に会う。
邦彦は武内に電話でうそを言い、遅番にしてもらう(^^♪
さち子はパトロンの田村のことについて話す。
両親ともに彼に見送ってもらった、自分もあのひとには
世話になりっ放しで淀屋橋には足を向けて寝られないのだ、と。

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邦彦は言う。
「政夫もかおるも自分のしたいように生きてるのに
俺には何もない、何をしたらいいのかもわからない」と。
さち子も言う。「あたしと同じだ、あたしも分からない」と。
そうしてつ付け加える、「何かせなあかんな。何しよう?」

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二人はその夜、さち子が暮らす「梅の木」の二階で結ばれる。

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政夫はある日、東京で大勝負があることを知り、
ビリヤード「紅白」のユキにその参加費用を尋ねる。
200万だと知ると「梅の木」を訪ね、さち子に150万の借金を申し出る。
「邦彦が学資を払うために高利の金を借り、返済に困っているのだ」
とうそを言い…。さち子は政男に150万円渡す。

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そのことを知った邦彦は政夫の行きつけの雀荘へ行き問い詰める。
訳は後で話すという政夫と揉めているうちに、
雀荘のヤクザ客連中に叩きだされ、「リバー」へ戻る。

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そこへ残りの借金の15万円を払いに来たとかおるが現れる。
邦彦は俺は受け取らん、あいつとは絶交だと言い、
一緒に暮らしている渡辺のことを聞く。

かおるは酒を飲み言う…、
あのひとはどこかへ行ってしまった、
玉が突けないようになったら俺はお終いだと前から言ってたから、と。
邦彦がこれからどうするのかと聞くと、
かおるは「私はダンサー、踊るだけよ」と、

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突然裸になり、カウタンーの上で踊り始める。

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やがて「気が狂うてきた」と店内を走り悲鳴を上げ始める。

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邦彦が止めると彼女は謝る。
「今晩はうちの卒業式。少し綺麗になりたかった。かめへんやろ」
邦彦は決心がつく。
「俺も道頓堀から卒業するわ。ここにおったらつい人に甘えてしまう」

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邦彦は置手紙を残し、
かおると「リバー」を出、「元気で」と心斎橋で別れる。

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そうして木賃宿で寝泊まりしながら工事現場で働き始める。

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武内は、「梅の木」で勝さん(名古屋章)から
政夫の借金の話を聞き、政夫が借金に現れた理由と、
邦彦が置手紙を置いて去った理由を察する。
彼には母親が遺していった学資があることを知っていたからだ。

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まち子はパトロンの田村に会い、自分の気持ちを話す。
「自分のやりたいこと」へと足を踏みだすことにしたのだ。
彼女はアパートを探す。

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武内はビリヤード「紅白」を訪ねる。
ユキに東京での大会へ行ったと聞かされ帰ろうとすると、
「お付にならないんどすか」と声をかけられる。

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彼は昔のことを思い出し、キュー・スティックを手にし、
玉を突き始める。そして思いだす。

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目の前の女がかつてライバルだった玉田老人の孫娘、
ユキ(少女時代・紗貴めぐみ)であることを。

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玉田老人を演じているのは名優・大滝秀治。
この映画では心奪われた大滝さんのあの声は聴けない。
そのため物語でも現実でも、すでに故人であることが
私などにはまあ痛切に胸に響いてくるわなあ(^^♪

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おじいちゃんが自分の傍で眠るように死んだ後、
ユキはその死を武内に伝え、ビリヤードの世界から足を洗おうと
あちこち放浪するが、結局自分が育った世界へ戻り、
千日前に店を開いたのだ。

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武内は決心してユキに頼む。
自分が昔の自分に戻れるまで傍でアドバイスをしてくれ、と。
ユキは彼がまた玉突きの世界へ戻ってくれるのかと
期待するのだが…。


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■130分 松竹 ドラマ
監督 深作欣二
脚本 野上龍雄 、 深作欣二
原作 宮本輝
製作 織田明 、 斎藤守恒
撮影 川又昂
美術 森田郷平
音楽 若草恵
出演
まち子 松坂慶子
邦彦 真田広之
武内 山崎努
ユキ 加賀まりこ
政夫 佐藤浩市
さとみ 古館ゆき
かおる カルーセル麻紀
石塚 柄本明
勝さん 名古屋章
玉田 大滝秀治
渡辺 渡瀬恒彦
野口 片桐竜次
鈴子 岡本麗
リカ 横山リエ
ゲイボーイ アミー
ゲイボーイ 花井優
ゲイボーイ 美露
ドヤの中年男 浜村純
ユキの少女時代 紗貴めぐみ
田村 安部徹

邦彦がまち子に会ったのは、母の納骨の日の早朝だった。彼が大黒橋の上で道頓堀の絵を書いている時に、足の悪い犬を追ってきた彼女と会ったのだ。邦彦は道頓堀川に面した喫茶店「リバー」の二階に住み込み昼は美術学校に通い、夕方からは店で働いていた。「リバー」のマスター武内の一人息子・政夫は邦彦の高校時代の同級生であり、日本一の玉突きの名人になるといい武内と衝突、家を出ていた。武内は納骨を済ませたその日、精進おとしだといって、邦彦を行きつけの小料理屋「梅の木」に連れていった。邦彦はそこでまち子に再会した。彼女は店のママで、もとは芸者だが今は不動産業を営む田村がパトロンだった。その日から邦彦はカンバスにまち子と足の悪い犬の絵を書くようになった。しばらくして犬がいなくなり、邦彦とまち子は道頓堀川筋を探したが見つからなかった。そのお礼にとまち子は邦彦を夕食に誘い、その夜「梅の木」の二階で二人は結ばれた。ビリヤードで次々と勝っていた政夫は試合に必要な金を作るために、まち子にたのんだ。邦彦が学資を払うために高利の金を借り、返済に困っているとまち子をだましたのだった。政夫の裏切りを知った邦彦は「リバー」に置き手紙を残して店を出た。息子の不始末を知った武内は政夫を探して、千日前のビリヤード「紅白」を訪れ、そこの女王人ユキから政夫が東京まで勝負に出かけたこと、そして、ユキがかつてビリヤードしていた武内にどうしても勝てなかった玉田という老人の孫娘であることを知らされる。武内は息子と未来を賭けて勝負しようと思い「紅白」で特訓を始めた。その頃まち子はパトロンと別れアパートを借り、邦彦と生活しようと邦彦を探し、口説いた。邦彦が学校を卒業するまでの二年間だけでいいから一緒にいたいというまち子に、邦彦は大きくうなずいた。「紅白」では東京から勝負に負けて帰った政夫と武内の試合が始まった。試合中に武内は政夫が幼ない頃、ビリヤードのために妻の体を他の男に売り、金を作ったことを告白した。父と子の争いを見ていられなくなった邦彦は外へ出ると、「リバー」の常連のかおるが、幇間の石塚に包丁を振りかざしているのを見る。それを止めようと二人の間に入るが一つきに刺されてしまう。帰りの遅い邦彦を待ちながらまち子は窓の外を見ると、いなくなったあの犬がエサを漁っていた。犬を抱き上げ頬ずりするまち子の後を、赤く点滅させたパトカーが、道頓堀の方向へ消えていった。

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