コースト・ガード_2 (2001) 韓国

[089]ギドクが描く38度線の狂気と、雷に打たれるかのようなその映像美

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(2008/04/26の記事に加筆)


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指揮官はミアの腹の子を始末しようと
部下たちに命じて彼女を舎に運ばせる。

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キム上兵は犯罪だと止めようとするが、
指揮官は構わず医師の免許を持つ部下に堕胎させる。

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帰宅するとミアは魚の泳ぐ水槽に入る。
彼女は水槽の魚を口に入れる。
水槽は子宮から流れ出す血で真っ赤に染まった。

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兄チョルグは妹の姿に気づくと、
包丁を手に海兵隊員を襲撃し、警察に逮捕されてしまう。

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夜、カンは密かに舎から軍服を、
そして警備する隊員から銃を盗みだすと、
暗闇に紛れてついに警備隊員を襲撃した。

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隊員が駆けつけ、飛んでくる銃弾に応戦した。

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チョ一等兵が襲われた。
彼はカンではなくかねてから対立するキム上兵が
ドサクサに紛れて襲ってきたものだと思い、キム上兵を殴った。

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そのチョ一等兵が侵入者に射殺された。

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本部は事態を知り、激怒した。
上官は指揮官にただちにカンを「捕まえろ」と命じた。

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と、指揮官は侵入者はすべて「射殺しろ」と命じる。
だが納得のいかないキム上兵は頷かない。
指揮官はキムを殴りつけた。

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キム上兵と警備についた兵は口を滑らした。
チョ一等兵を殺ったのはほんとにカンなのか、
キム上兵も仲が悪かったでしょう、と。
キムはその場を離れた。

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次の瞬間、その兵は侵入者の銃弾に斃れた。

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狙撃したのはカンだった。
だがキム上兵の銃口も確かにその兵に向けられていた。

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警備隊にすればカンは明らかに侵入者だった。
が、自分は現役だと妄想するカンにすれば、
帰隊を許さない警備隊のほうこそ侵入者であり、
北朝鮮のスパイだった。

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キム上兵はカンの後を追った。
銃撃を聞いた警備隊も彼らの後を追った。
その警備隊に発砲したのはカンなのか、キム上兵なのか
観ている側にもすでにわからない。
わかるのはただそこはすでに狂気に支配されているということ
だけである。
このあたり、さすがキム・キドクと唸るほど上手い(^^♪

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激しい銃撃戦が夜明けまで続いた。
侵入者の銃撃が途絶えた。

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明け方、海兵隊員たちは禁止区域の海岸へ近づいてみた。

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彼らは海岸に軍服を着た侵入者の死体を発見した。

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だが、その死体に頭部はなくギョッとなった。
と、突然、女の甲高い笑い声が聞こえた。

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ミアだった。

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ミアは嘲笑うかのような笑いを残し、海の中に消えた。

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数日後、カンの姿がソウルの街中にあった。
行き過ぎる市民の前で彼は歌った。

♪楽しかったあのころに 時計の針が戻せたら
薄れゆく記憶の中の あの昔に帰れたら
尽きせぬこの思いを あなたに伝えたい
いくら悔んでみても 帰らざるわれらが日々

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歌い終わると彼は銃剣の訓練を始め、
そのままひとりの市民を刺し殺した。

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通報を受けた警察官たちが駆けつけ、カンを包囲した。

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カンは銃口を定めた。

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スクリーンのこちら側にいる者に向かって…。


カン上兵の「狂気」はやはり北のスパイに、38度線に
緊張を強いられた沿岸警備隊の中から生まれたものだろう。
まして軍人であることが自己同一性と化している者には
生まれやすいように思う。

そしてその狂気はいつだってこの物語のように、
内部の者に、あるいは近隣の者に向かって
転倒してしまうところが恐ろしい。
「受取人不明」の場合もそうだったが。

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物語造形の凄さもさることながら、映像が本当に美しい。
ギドクはさっさと短時間で撮ってしまうタイプらしいが、
ほんとかよと驚いてしまうよね(^^♪
といって長い時間をかければ誰でもこういう絵(映像)を撮れる
というものでもない。
もう資質が、才能が違うんだよ、天賦のものなんだよ、
と、あっさり諦めたほうが利口だよね、私らは(^^♪
と言いつつ、糞っとギドクみたいな男を見ると
燃えてしまうのが私の悪い癖なのかもしれない(^^♪

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これは狂ったミアが海に入って戯れるシーン。

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茫然と見惚れてしまうよねえ(^^♪
ちなみに干潮時にはここ水なくなっちゃうんだよね。

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柱、一本一本ギドク自身が彫刻して立てたんだと思うけど、
ね、頂戴よ、俺にって言いたくなっちゃうよな(^^♪

映画ファンだったら観ないと一生後悔するよ(^^♪


※「コースト・ガード_1」
※「コースト・ガード_2」


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■94分 韓国 サスペンス
監督: キム・ギドク
製作: イ・スンジェ
脚本: キム・ギドク
撮影: ペク・ドンヒョン
音楽: チャン・ヨンギュ
出演
チャン・ドンゴン カン上等兵
キム・ジョンハク キム上等兵
パク・チア ミヨン
ユ・ヘジン チョルグ
キム・テウ

南北軍事境界線の海岸を警備し、民間人を北のスパイと誤認して射殺してしまうことから始まる、ある兵士の悲しみを緊迫感と狂気と満ちたタッチで描いた心理サスペンス。『ロスト・メモリーズ』の次回作として、チャン・ドンゴンが選択したのは低予算映画ながらも海外映画祭では高い評価を得てきたキム・ギドク監督作品。独特な映像感覚で<韓国映画界の異端児>と言われてきたキム監督の作品に俳優としてトップスターの地位を確立したチャン・ドンゴンが自ら出演を志願し、破格の安いギャラで出演し大きな話題を呼んだ。本作はキム監督自身が5年間海兵隊で過ごした経験をもとに、朝鮮半島の現在を生きる人々の現実と葛藤を生々しく描いた<戦闘シーンのない戦争映画>である。キム監督は本作のインタビューでは「チャン・ドンゴンはスターとは思えないほど、謙虚で知れば知るほど素晴らしい人物」と賞賛の声を惜しまなかった。撮影は全羅北道扶安郡ウェドの海岸で行われた。

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