台北に舞う雪 (2009) 中国/日本/台湾

[1174]生活的に苦しい状況の中で恋愛だけが主題になる事はあり得ない

画像


フォ・ジェンチイ監督が台湾を舞台に撮った青春ドラマ。

私は情報を入れずにいきなり観るタイプなので
観終わった後に知ったのだが、シナリオを書いたのは
何と日本人の田代親世という女性だったよ。
さて私の感想は…、後のお楽しみって事になるのかな(^^♪
え、もう分かってる? うそ、何で分かる訳?(笑)

画像

舞台は台湾北部の渓谷沿いを走るローカル線の終点、菁桐。
と言われても、渓谷を走る映像はないので
観ててもあまりピンと来ないのだが(^^♪

画像

その田舎駅に一人のいかにも都会からやってきた
という若い女の子がひとり降り立った(^^♪
彼女の名はメイ(トン・ヤオ)。
売り出し中の新人歌手だったが、新作発表の直前に
突然声が出なくなり、誰にも行き先を告げず台北を飛び出し
この町へ蒸発して来たのだった。

画像

彼女の蒸発を伝える台北テレビ。
但しそんな名前の局があるのかどうか私は知らん(^^♪
「神秘失踪」だって。中国語ってほんと大陸的って感じ(笑)

画像

別にたいした「神秘」がある訳ではないので
先にバラしておくが、この左の男に惚れてしまった訳。
男は彼女のプロデューサーのレイ(トニー・ヤン)。
業界内&車内(社内)恋愛だし、新人だし、
で想いを打ち明ける事も出来ないので
とうとう声が出なくなり、蒸発という手段に出た訳(^^♪
右はレイのアシスタントのリサ(ジャネル・ツァイ)。

画像

その神秘失踪歌手メイはひょんな事からこの町で暮らす
一人の青年に出会う。幼い頃に母に捨てられ、
祖母に育てられてきたモウ(チェン・ボーリン)だ。
その祖母も既に亡く、天涯孤独の身。
今は、おまえの母は「雪が降ったら帰ってくる」という
死んだ祖母の言葉を信じ、
自分を育ててくれた町の人たちの為に
一生懸命働いている好青年なのであった(^^♪

画像

モウが知りあいのお婆ちゃんに頼んで
アパートを貸して貰い、メイはそこで暮らし始めた。

画像

そしてモウの母親代わり(?)の小母さんちの食堂で
皿洗いのバイトを始める。
ね、おらが苦労してるの分かるカニ?
良い作品というのは普通物語を紹介しながら
良いショットが盗れるものなのだが、
コレなかなかそうは行かない訳さね(泣)
ましてオラがフォ・ジェンチイな筈なのにさ。

画像

メイが歌手で声が出なくなった為にこの町へ失踪して来た事を
知ったモウは、既に引退している漢方の名医マーさんに
メイを診て貰う。マーさんはズバリ診断。
声が出ないのは心に悩みを抱えているからじゃあ~!と(笑)。
俳優として観ていられるのもこのマーさんだけだったりして(^^♪
と言っても若手俳優も日本の俳優よりは全然観ていられるよ。

画像

メイは青島出身。
あ、君、青島か。私は隣の鏡洲だよ。と言おうと思ったが、
青島は青島でも彼女は宮崎の青島ではなく
中国の青島(チンタオ)だったので、私は言わずにおいた(笑)。
物語的には青島出身である必然性はあまりない。
フォ・ジェンチイが監督なので青島出身という事にしたのかな?

画像

トン・ヤオはその容姿がチャン・ツィイーに似てる事から
小チャン・ツィイーと呼ばれているらしいが、
資質的には似てるようには感じないかな。
何しろオラがチャン・ツィイーはマフィア出身で、
美貌を売ろうとはしない芯の強さがあるからなあ(笑)

画像

ある日、モウはアパートのお婆ちゃんに
鳥のフンで屋根が臭いから掃除してと頼まれ、
水道ホースで屋根に水を撒く。

画像

メイの部屋の窓辺に雨が滴る。
お~、我がフォ・ジェンチイ、
ついにやる事がなくなって捏造し始めたな!と思ったら、

画像

メイの回想シーンが挿入されて、
恋人のプロデューサー・レイが「雨は詩的だな」だと。
こら、チャン・ツィイーが何でこんな臭い男に惚れるんだ!
と私が怒鳴ったら、フォ・ジェンチイの野郎、
「怒るな。これはバイトだぞ」だって(爆)。
だよな。金ないもんな。許そう、と私(^^♪

画像

てな具合に話が進み、パターン通り
モウとメイが互いに惹かれ合って行くので
私がチラッと傍のフォ・ジェンチイに目をやると、
彼はフーと煙草を吹かしながら言った。
「ここは中国じゃない。アイドル映画だ。気にするな」と。
先手を打たれて私も仕方なく余裕をかますフリをして
奴の前でタバコに火をつけ、それから珈琲を一口啜った(^^♪

画像

マー先生がくれた漢方薬のお蔭で
いまは声も出るようになった。

画像

一方、実は
メイの神秘失踪事件をスクープしようと走り回っている
ジャック(モー・ズー・イー)という若き芸能記者がいた。
彼はついにメイの尻尾を掴みこの菁桐へやって来る。

画像

そして彼はモウのガールフレンド的存在の(^^♪
きっ茶店ガール・ウェンディ(テレサ・チー)を通してメイを発見し、

画像

彼女と接触、記事を書く事になる。
結局、記事は新人歌手の失踪事件なんて
編集長に没にされるんだけどね。

画像

オラがきっ茶店ガール・ウェンディ。
モウがメイと仲良くするもんだから、この娘が嫉妬して
メイを青年記者に売った訳だけど、
この娘やってるこのテレサ・チー、妙に図体ごと可愛いんだぞお(^^♪
あ、そう言えば「九月に降る風」にも出てたわ。

画像

そして町の新年を祝う会。

画像

メイも歌う。
🎵~♬~🎵~♫~。
歌詞は書かないのかって?
ごめん、私にはちょっとアレで写す気が…(笑)。

画像

と、その会場にはあのレイと
アシスタント・リサの姿があった。
そ。左の記者ジャックが二人を連れて来たんだよね。

画像

メイはレイのその姿を見つけると、
駆け寄って彼の胸に飛び込む。
ネタをバラすとメイは、レイに自分を心配して
探して欲しくて「神秘失踪」したという次第なんだよね。

画像

そしてモウとメイの別れのシーン。
何を話したか知りたい人はどうぞ観てつかあさい(^^♪

画像
画像

その夜、記者のジャックがモウを呼び出し、
俺を恨んでるだろう、さあ殴りたければ殴れと言い、
二人は殴り合いを始める。
お~、懐かしき…、でもないけど、青春ドラマまっしぐら(^^♪
この頃は既にこれは元ネタ日本の小説か漫画だろうなあ
とは思った訳だけどね。理由は後で。

画像

翌日、メイはレイと一緒に雨の中、菁桐を去った。

画像

そして翌日(?)<
モウがいつものように自転車で町中を走っていると、
漢方医マーさんの家から火が出ている。

画像

モウは慌てて火の中に飛び込み、マーさんを救出し、
やって来た救急車に運び込む。

画像

駆けつけた消防隊員がマーさんの家に
懸命に消火剤を掛ける。真っ白な消火剤を。

画像

雪の降る筈のない台北に雪が降る。
お~、綺麗だなあ。やっぱりこう来たかあと思う。
ホラホラ、モウが屋根にかけた水道ホースの水が
メイには雨に見えたじゃん(^^♪

画像

ね、綺麗だろう。
おい、ジェンチイ、こんな雪のために人の家に火をつけ、
人を殺して委員会いいんかいとは思うけどさ(笑)。

画像

その幻の雪の向こうから幻のモウの母が帰って来る。

画像

後はただメイが歌う歌の中でひたすら
イメージショットが流れるだけ。

画像画像

都市・台北。コンクリートの壁。

画像

メイはモウが忘れられず土と緑が香る菁桐を訪れる。

画像画像画像

「おまえ、遂にカラオケ映像屋に堕してしもうたのう」
「これはアルバイトだと言ってるだろう。
ライターが韓流ナビゲーターだと言うし、しょうがねえべ」(^^♪
シナリオを書いた田代親世さんの事だ。
私も韓国映画フアンを自認しているが知らなかった。
すいません田代さん。
何しろ私、映画は観るけど情報を見ない超怠け者なので(^^♪
あ、「韓流」とはこの場合、韓国が得意とする
MV(ミュージック・ビデオ)の事を言ってる訳ですたい。

画像

メイはきっ茶店ガール・ウェンディと再会。
モウが母を探しに町を出た事を知る。
メイはレイに自分を探して欲しくて神秘失踪した。
なので母も自分に探して欲しくて神秘失踪したんだと信じ、
モウは母を探す旅に出たって訳。

画像

舞台になっている菁桐で暮らす人々は
映像を見る限り決して生活的に豊かだと思えない。
にも拘わらずその生活の苦しさは一切描かれず、
恋愛のみが主題歌されている。

この作品に対する「?」は全てそこから生じている。
恋愛のみが人生の主題として浮上して来るのは、
それはまさに生活苦が既に主題にはならない
日本の国のような場合にのみ起こる事なのである。
なのでこの物語は日本の小説か漫画が原作ではないのか
と私は途中で思うた訳。

もっとも今の日本は恋愛も家族も主題にならず、
「自分」(個人幻想)だけが主題となる最終段階に達した訳だが。
最終段階とは言うまでもなく「終末」の段階を意味する。
言いかえると小松左京的「日本大沈没」の段階(爆)

という訳で、
決して豊かとは思えない台北・菁桐を舞台に
こういう映画を創るのは私の視点から言うと、
消費的欲望を下にただ台北・菁桐を利用してるだけで拙い
んじゃないのって事になる。
美名の下に原発を輸出してるようなもん?ヒェ~!(笑)

まあ、同じ映画フアンでも彼と我では
こうも違うのかという事なんだけどさ(^^♪

以上、「天空からの招待状」が作られる裏側で、
中国/日本/香港/台湾の合作としてこういう映画が作られ、
日本の観客も結構喜んでたみたいという事を
お知らせした次第で~す。
おしまい(笑)。

こら、フォ・ジェンチイ、
バイトかも知れんけどこういう映画を作ってると
自分で自分の首を絞める事になるぞ(^^♪


画像



■103分 中国/日本/香港/台湾 ロマンス/ドラマ
監督 フォ・ジェンチイ
脚本 ス・ウ 田代親世
エクゼクティブ・プロデューサー ドン・ユードン 劔重徹
川崎代治 川村英己 ジェフリー・チャン
プロデューサー リュウ・ジン 伏見朋子
撮影 スン・ミン
美術 ウー・ミン
音楽 アン・ウェン
録音 カン・ヤン・チェン
照明 ルー・チンシン
出演
チェン・ボーリン
トン・ヤオ
トニー・ヤン
モー・ズーイー
ジャネル・ツァイ
テレサ・チー

「山の郵便配達」「故郷の香り」のフォ・ジェンチイ監督が、台湾の人気スター、チェン・ボーリンを主演に描くハートフル・ラブストーリー。台湾北部の小さな町を舞台に、突然声が出なくなり都会から逃げてきた新人歌手のヒロインと地元の青年との切なくも心温かな交流を瑞々しく綴る。
台湾北部、山あいの小さな町。そこに暮らす青年モウは、孤児となった自分を面倒みてくれた町の人々への恩返しの気持ちを込め、町中の雑用をこなす忙しい毎日を送っていた。そんなある日、彼の前にメイと名乗る若い女性が現われる。彼女は将来を期待される新人歌手だったが、突然声が出なくなり、逃げるように台北を後にしてきたのだった。事情を聞いたモウは、親身になって世話をし、メイは徐々に町に溶け込んでいく。声のほうもモウが紹介した漢方医のおかげで少しずつ回復していくメイ。モウの優しさに癒やされ、すっかり元気を取り戻すメイだったが…。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック