東京のえくぼ_1 (1952) 日本

[1182]喜劇映画の大傑作。こんなに健康だった時代は戻ってくるのかなあ

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森繁の「社長シリーズ」で知られる松林宗恵が
1952年(昭和27年)に撮ったデビュー作。
戦後の喜劇映画、大傑作の一つ(^^♪

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昭和26、7年頃の東京。
ほとんど廃墟と化した東京がわずか6、7年でこんな街に。
日本の戦後復興は奇跡的だったと良く言われるけど、
こうやって見せられると改めて当時の日本人の凄まじい活力を
思い知らされるよね。

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深川に住んでる河上伸子はその日、
バスに乗って紀之國屋物産の入社試験に向かっていた。
んだんだ、バスもちゃんと鼻があった方が可愛いよな(^^♪

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当時の通勤バスもラッシュ状態。
運転手がハンドルを切るたびに乗客はドスンゴツンガツン(^^♪
で、左の女性が川上伸子…、我等が先輩丹阿弥谷津子さん。
誰だ、そこで丹阿弥さんにも娘時代があったのか
なんて抜かしてる野郎は(笑)。

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「うわっ、私の財布が消えた」と伸子が声を上げると、
「スリだスリだ、車内にスリがいるぞ」
「おい、運転手、バスをこのまま交番に付けろ」などと
乗客が騒ぎ出す。

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はい、スリ逮捕(^^♪
「スリは君だね。白状しなさい」と交番の巡査さん…、
おゝ、若き日の我らが小林桂樹よ♪
「私はスリではありません」とロイド眼鏡紳士…、ねい、君は誰?

「まあ、伸子ちゃん」「まあ、京子ちゃん」
と伸子はそこで大学時代の友人、京子に偶然再会(^^♪
婦人警官がよく似合うこの若い女優は、

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おゝ、我が高峰秀子よ。
わっ、ギャッ、可愛い~!アキバ・コスプレみたい~(^^♪

「しかし君のポケットにこの人の財布が」
「私は知りません。さようなら」
「あ、君、帰っちゃだめよ。君の帰る所は留置場」(笑)

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ロイド眼鏡に口髭のおっとり紳士、実は我らが上原謙。
記憶力のいい伸子に思わず見惚れる瞬間なんだけど、
どうだい、なんか滅茶苦茶顔が締まってて良くないカニ?(笑)
いつもだと顔が良いぶん少し間抜けて見えるんだけど、
ほんといいんだわ、この上原謙、笑えて最高。

この顔が後に「社長シリーズ」の森繁の顔になってく訳だけど、
謙さんのコレ、「社長シリーズ」を遙かに凌ぐ大傑作(^^♪

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はい、丸の内。
コレ、紀伊國屋文左衛門の子孫の、架空のお話な訳。

ほらほら都電が走ってる(^^♪
この頃の風景に懐かしさを感じるのは、全てが
人間の手で作られ、人間の手が動かしている感じがするからだろね。
今は機械が作って機械が動かしてる感じ。
人間はただ見て管理してるだけ。味気ない~つう事かな♬

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入社試験に駆け込みセーフの伸子は、
専務に向かいアカンベーと舌出しをした結果、
2000名の希望者の中から見事に採用された(右端)。
アカンベー事件とは何か? さあ、観ると分かるんじゃないかな(笑)。

この重役陣、実は裏で大騒ぎ、大社長がいなくなった、と。

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はい、左が現在の七代目社長・文太郎…、上原謙。
右が先代の六代目社長…、同じく上原謙(^^♪

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おゝ、五代目も四代目も上原謙。初代まで全部上原謙(笑)。
こんなに素敵な上原謙観た事ねえべ、ほんま(^^♪

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その七代目紀之國屋文太郎はスリ容疑で只今留置場(^^♪
留置場、オレが放り込まれた70年初頭と一緒やないけ。
え、何か聞こえた? うそ、私には何も聞こえなかったよ(笑)。

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で、翌日の新聞に「第二の下川総裁事件か?」とスッパ抜かれる。
この「下川事件」は山事件と松事件から盗ったんだべな(^^♪

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それに三鷹事件(写真・上)を加えて「国鉄三大ミステリー事件」。
いずれも昭和24年やったなあ。
え?またまたあ。知りたかったら自分で調べるのだ、息子たち。
自分で勉強せんとちっとも勉強にならんのやで(^^♪

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件の巡査が新聞見て慌てて留置場と紀之國屋物産に連絡。
重役どもが慌てて出向いて身元を引き受け、文太郎、帰社。
で、社長秘書の職務に就いてた伸子とめでたく再会。
交番で文太郎にアカンベーをした伸子、さすがにバツが悪い(^^♪

文太郎社長の向かいに立ってる人、

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紀之國屋物産の七代目番頭(現・専務)の林長十郎。
昭和が誇るコメディアン、古川ロッパだよん~(^^♪
俳優を自認する者はロッパの科白術を学べ、この映画の!
これぞ言葉を喋るという事の見本。
と言ったかて誰も見んわな、きっと。

文太郎、この大番頭に促されて社長業開始。
ペタンコペタンコ、机に山と積まれた文書への「めくら判」押し。
あゝ、ペタンコペタンコ。

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終わると通りの真向かいにある紀之國屋汽船会社へ。
それも10mの距離をわざわざ車に乗せられて出向き、
ここでも、あゝ、ペタンコペタンコ人生。
うわっ、社長、オラが伴淳(三郎)だ、ゲラゲラ~!
と、オラは笑ってるのに文太郎は見もせずムス~。
あ~あ、人生勿体ない(^^♪

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で、退社時刻になると祝辞、弔辞、宴会等々、
毎日、夜の夜中まであちこちへ引き廻され、

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翌朝出社すると定例の社歌うたいから始まって、
また昨日と同じペタンコ業務の繰り返し。
あゝ、哀れ、生まれる前から作られし我がペタンコ人生よ(^^♪




おっ、洒落た社歌やないけい。
紀伊国屋書店、今でも毎朝、社員一同この歌うたってるのけ?(爆)
なんで「ミカン船」なのか? ホラホラ、自分で調べる(^^♪

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そうか。それであの日、バスで社長地獄からトンズラしようと、
と、秘書として仕え始めた伸子も得心。
「社長さん、じゃあ何がしたいんですの?」
「ん?ホルン吹きたいなあ。上手いんだよ、ボク」
「じゃお弾きください」と伸子は内側から部屋のを鍵をかける。
あの日の借りを返すべく(^^♪

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どころか翌日は社長室に剃刀を持ち込み、
はい、これで口髭剃って、ロイド・ダテ眼鏡外してと、
何と逃亡の薦めをば(^^♪

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お~見よ、土手で子供たちにホルンを吹いてる文太郎社長に
人間の笑顔があ~!ホルンは下手糞だけど(笑)。
伸子、更に背広、靴を変えさせ、殿上人を下界の男に仕立て、

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「ただいま~」と深川の我が家に連れて帰り(^^♪
「友達のサチオ(左千男)さん。下宿探してるんだって。
お父さん、二階貸したいって言ってたでしょ。貸してあげて」(笑)

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「うわっ、シャチョー(社長)さん、こんな汚い家へようこそ、ハハ」
「伸子の母親です。この度は娘がお世話になりまして、フフ」
「私の口から言うのも何ですが、うちの娘はよう出きておりまして、ハハ」
「この娘がおりますと何と言いますか、うちの中がパッ明るくて
暖ったかいんで御座いますのよ、シャチョーさん、フフ」
「二人で何を勘違いしてんの。社長さんじゃなくて、左、千、男サン」

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「なんだ、ややこしい名前だな」
「道理で変だと思った」と伸子の父と母を演じてるのは、
懐かしき我らが柳家金語楼と清川虹子だよん~(^^♪
しかしまあ何とも贅沢な、素晴らしきキャスト哉だよねえ。
金語楼と清川さんの喋繰るスピード、超速男・十貫寺梅軒を軽く凌いで
秒速99文字!ギエ~凄すぎ~(笑)。

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こうして文太郎は伸子の陰謀の下、一人ストライキに突入する。
社長の木偶の坊化を推し進める現体制を打破せんと。
ま、重役陣に反省しろ、ボクを人間として扱え。
ボクは君たちの傍にいて反省してるかどうか見てるぞ!
と伸子が手紙を書いて送って、傍で伸子が見てる訳さね(^^♪

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その拠点として選んだ場所が、
紀之國屋の原点の一つだった江戸・深川木場にある
伸子の家だったという事になる訳だよね(^^♪

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で、その暮らしは…、伸子の可愛い妹との音楽会(^^♪

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伸子の母ちゃんの誕生日を皆で祝う会(^^♪

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兄弟での雑魚寝体験(^^♪
いいよねえ。家族の雑魚寝、もう家族旅行の時くらいしか
出来なくなったよなあ。

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そして休日は一度行ってみたかった上野動物園へ。

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おゝ、東京のえくぼ(^^♪ この二人の笑顔いいんだよねえ!

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ロープウェイ体験(^^♪
これ、昔見た時は何処か分からなかったんだけど、
調べたら何とまあ渋谷のハチ公前にあったんだって!
1951年から53年の僅か3年の間だけど。

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ほれ、コレ。(サイトより転載)
東横百貨店(現在の東急百貨店東横店東館)に掛かっていて、
それも子供たちの為に作られたらしいよ(^^♪

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そして翌日、月曜日、金語楼親父と一緒に
親父が働いている紀之国屋物産の下請け会社・缶詰工場へ出社。
親父さんの口利きで雇われる事になった訳さね(^^♪

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はい、ウンコラショ、発送係。汗が滴る重労働。
木偶の坊脱出なるか(^^♪


※「東京のえくぼ」_1
※「東京のえくぼ」_2


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■87分 日本 コメディ
監督: 松林宗恵
製作: 青柳信雄 高木次郎
脚本: 小国英雄
撮影: 小原譲治
美術: 進藤誠吾
音楽: 服部良一
助監督: 瀬川昌治
出演
上原謙  紀の國屋文太郎
丹阿弥谷津子  河上伸子
柳家金語楼  河上大作
清川虹子  河上八重
小林桂樹  巡査
高峰秀子  峯京子(特別出演)
古川ロッパ  専務・林長十郎
小倉繁  木村徳太郎
田中春男  酒屋の主人武さん
江川宇礼雄  用度係長
伴淳三郎
三原純
一の宮あつ子
三原葉子
沢村昌之助

ある日、河上伸子(丹阿弥谷津子)は紀の國屋物産の就職試験に行く途中、バスの中でスリに財布をすられたのでバスの運転手に乗客の持ち物検査をしてもらう。スリは前に突っ立っていた男(上原謙)のポケットの中に入れてまんまと逃げおおせ、その男が代わりに巡査(小林桂樹)に捕まり留置場に入れられる。派出所には伸子の親友、京子(高峰秀子)がいた。伸子は無事に入社試験にパスしたが社長の紀の國屋文太郎が行方不明だという。

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