ベリッシマ (1951) イタリア

[1208] ヴィスコンティの大傑作。これぞ写実的イタリアン・オペレッタ!

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『ベリッシマ』 1951年 イタリア 115分
監督: ルキノ・ヴィスコンティ
脚本: スーゾ・チェッキ・ダミーコ ほか
撮影: ピエロ・ポルタルピ ポール・ロナルド
音楽: フランコ・マンニーノ
出演: アンナ・マニャーニ  ワルテル・キアーリ ディーナ・アビチェラ

ちょっとデ・シーカ風で、ヴィスコンティ作品の中で私が一番好きな作品。
と言うとヴィスコンティ・ファンに怒られるかも知れないから、内緒だよ(笑) 
ちなみに「ベリッシマ」とは「もっとも美しい女性」という意味。

主演はもう大好きなわがアンナ・マニャーニ。
物語は、小さな娘をなんとか映画のオーディションに合格させようと
走り回る庶民ママのお話。

大阪にいそうなかあちゃんで、その奮闘に大笑いし、最後は涙ホロリ(^^♪
と言ってなめちゃ駄目よ。新幹線ひかりのスピードを軽く上回るその科白は、
まさにこれぞイタリア人の庶民オペレッタ!
と言いたいほど素晴らしいのだ💛

ちなみに物語は
マニャーニのもうひとつの自叙伝とも言ってもいいようなお話。
彼女、聞くも涙の幼少体験の持ち主で、
15歳から大衆舞台に上がってたんだよね。
面倒臭いので「ウィキペディア」をそのまま最下部に紹介する。
あゝ、彼女の資質、演技はここから来てたのかと納得するはずです💛

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時代は、みんなが生活にとても苦しんでいた戦後間もない頃。
ローマ郊外の撮影所チネチッタで、有名な映画会社が
子役少女のオーディションを行なうというニュースが流れ、
ドドドドッと大阪の庶民が大挙、撮影所に押し寄せた(笑)。

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そんな人混みに飲まれて、オーディションに参加させようとした
娘マリアの姿が消え、母親マッダレーナは必死に探す。
と、マリアは池の畔でひとりボンヤリとしていた。

わっ、間に合わない!とマッダレーナが騒いでると、
ちょっと良い男が近づいてきて、「ぼくに任せなさい~」と
会場に案内してくれる。

マッダレーナを演じているのはむろんアンナ・マニャーニ💛 
この表情見るだけで「お~、わがマニャーニ!」と騒ぎたくなるよな。
娘のマリアはティーナ・アピチッラちゃん。可愛いんだぞお~💛 
男は…、知らんわい(笑) ま、撮影所の下っ端を務める
アルバート(ワルター・キアーリ)なんだけどさ。

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会場に入ると
マッダレーナはほかの参加者を押しのけて監督の前に飛び出し、
愛娘マリアを紹介。もち、超可愛いので一次予選など難なく突破する。
と…、

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「私は大女優よ。マリアちゃんの演技指導してあげるわ。ギャラ頂戴」と、
体だけバカでかい自称大女優がさっそく、
しかも勝手に自宅に飛び込んで来た(笑) 

「この野郎、あたしのいない隙に3つもうちの卵盗んで
勝手に飲み込みやがって」とマッダレーナの腹の虫は治まらない。
が、最終予選は厳しいと先の下っ端アルバート青年に聞かされているので、
泣く泣く任せることに(^^♪

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それからが大変。自分の仕事と娘の演技レッスンの合い間を塗って、
下っ端アルバートが教えてくれた写真屋さんにマリアを連れてって、
はい、パチリ(^^♪

懐かしいよねえ。昔はカメラレンズを覗くと世界は逆さま! 
今は覗いてもそのまんまだから面白くもねえぜい。夢がない(笑)

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次は洋服屋さんに飛び込んで、マリアに着せる服を注文。
とにかく金がかかるので、マッダレーナから飛び出た言葉は
「現金の代わりに注射で支払いを」(爆)

彼女じつは、病気であまり動けないひとの家を廻って、
注射をしてあげる仕事をしてんだよね。
いまで言えばさながら介護士的看護婦っての?(^^♪

踊りも出来なくちゃライバルに負けるってんで、
バレーのレッスン場にも駆け込む。

「はい、お尻もっと下げて~」
「壁にばっかり向けてないで、踊ってる子に混ぜてやってよ!」
「あの子たちは3年も通ってんのよ。素人のくせにバレーを舐めんじゃねえ!」

と、このおばちゃん踊ってみせた。と、これがまあ何とも素敵な訳よ(笑) 
子供たちの踊りも素晴らしくて、ここも見所だよん♪


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はい、これ、マッダレーナの旦那。マリアが可愛くてたまらない父ちゃん(^^♪ 
彼女が帰ると、「おい、家賃がまた上がったぞ」と心配してる。

じつは一方で、家族のために
小さな家を建てようと仕事に励んでる訳、家賃バカにならんから。
何の仕事か? 知らん。仲間と遊び回ってだけのようにしか見えん(笑)

てんで、マッダレーナはマリアと一緒に
「注射要らんかねえ、注射だよ注射」と走り回って、
オーディション代を稼いでる訳ね。涙ぐましいのよ(^^♪

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住宅前の広場でやってる野外映画を夫婦で鑑賞💛 
マッダレーナは言う、「映画は辛い現実を忘れさせてくれる」💛

しかし懐かしいよねえ。狭い庭だったけど、
私ちの庭でもこういうふうに映画やってたもんだからさ。
昭和20年代から30年代にかけて。それが私の映画体験の原点。
この世で私に残っている最初の記憶(^^♪

え、このモンゴメリー・クリフトの映画は何かって? 
ジョン・ウェイン主演って言うと分かるかな? 『赤い河』だべ💛

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一方、撮影所内に2次予選を突破した「ママと子」たちが
集会を開き、騒ぎまくる。
「映画の子役はホントはもう決まってんの、コネで」
「私らのオーディションはただ宣伝のために使われてんの」
「公平に審査されるべきよ!」と(^^♪

うわっ、この頃からそうだったのか、と驚くよね(笑) 
え、知らないの? こういう「宣伝のため」「金のため」というオーディション、
プロダクションへの勧誘はめちゃ多いから気をつけた方がいいよ。

この映画はそういう映画界のウラをも実は暴いてみせてるのだ(^^♪

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さあ、マリア、散髪も!と理髪店へ行き、
マッダレーナがちょっと外へ出ると、
その間にマスターはまだ小さいわが息子に散髪させるのだった! 
いやあ、さすがイタリアだべえ(笑)

結んだ髪をバッサリ切られてマリアはしばらく呆然とするが、
最後には可愛い男の子と顔を合わせて、ニコっ💛

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マッダレーナがマリアを置いて理髪店を出たのは、
じつはアルバートに会うため。
下っ端でもコネを維持しとかなくちゃと思ってる訳ね。
すでにかなりの大金を渡している。
その金でこの下っ端はバイクを買いやがった!(笑)

んでもって本日はサングラスで決めて、マストロヤンニばりに
「マッダレーナ、この世で大事なことは持ちつ持たれつの関係になることだ」
なんて抜かしおるのであった。アホ丸出しやな、おめえ(笑)

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わが子マリアを夢の大スターに! 
と、それこそ夢のような話にううつを抜かし、
訳のわからない女優とやらに家宅侵入まで許しているマッダレーナに、
夫スパルタカス…、違った。スパル蛸…、違った。
スパルタコはついに切れてマッダレーナと大喧嘩を始める。

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殴られたマッダレーナは叫ぶ、「私のようにはしたくないのよ!」と。

隣近所を巻き込んだ大喧嘩の末にはスパル蛸は…、
違うけどこの際スパル蛸でいいや、おらがマッダレーナを殴るような男(笑)。

スパル蛸は可愛いマリアを連れて出て行こうとしたが、
隣近所に避難を浴びて一人「離婚だ」と喚いて家を出ていったのでだった。
フン、いま頃どこで遊んでることやら(笑)

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第二次予選(最終予選)が始まった。
監督が可愛いねえとマリアちゃんを抱き上げてキスをした。

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「わー、監督がキスしたキスした!」と大喜びするマッダレーナと、
旦那みたいな顔して彼女に寄り添う下っ端のアルバート。
ほんとイタリア男は隅におけん(笑)

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休息時間。
マッダレーナがマリアに薬を飲ませようとしても「不味いもん」と飲まない。
と、下っ端は「飲まない子はあしたの朝、ガチョウになっちゃうよ。
グァイグァイグァイグァイ!」とガチョウ鳴きしてマリアに飲んでみせるのだが、
あまりの不味さに表に走り出して、ゲエーゲエー吐き出すのであった(爆)

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で、そのまま下からマッダレーナを手招き、散歩しようと川に連れ出し、
「人間の一生ははかないものだ。誰だってたまにはハメを外したくなるし、
外すものだよ。おゝ、マッダレーナ」とさりげなく寄りかかる。

マッダレーナも言い寄られて悪い気はしない。
で、一瞬よろめきかけるのだが、
「いまはだめ。また今度いい日があるわよ」と立ち上がって会場へ(^^♪

なんて言ったけど、マッダレーナにはオーディションと、
喧嘩して出てった旦那のことしか頭にないのよ、下っ端くん(^^♪

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下っ端君のこと散々に書いてるけど、
アモーレに生きるいかにもイタリア男で、ほんとはめちゃいいやつなの💛 
マッダレーナが審査中の「マリアの映像を見たい」と言うと、
こっそり編集室の女性を紹介する。

その女性を見て彼女は思わず「どこかでお会いしませんでしたか?」と聞く。
彼女、じつはマッダレーナが観た映画に出ていたのだ。

彼女は、何度か呼ばれて映画に出たけど、いまはここで編集してます。
華やかな映画の世界のウラはとても厳しいんです、
と自分の体験を語ってみせる。

そして本当は禁止されているのだが、
マッダレーナとマリアをこっそり試写室の映写室に連れてってやる。

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と、ちょうどマリアのテスト映像が映し出されていた!

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それを見てマッダレーナの心臓が止まりそうになる。
家では稽古してロウソクの灯を吹き消せたのに、テストでは吹き消せない。
朗読すると、女優がレッスンしてくれたはずなのに、言葉は舌足らず。
おまけに緊張してか、言葉が出て来ず、
しまいにはごらんのようにワンワン泣き出す始末だったのだ!

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下では審査員たちがバカにしてゲタゲタ笑い。
監督だけが「なんでそんなにおかしいんだ?」と怒っている。

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そんな審査員たちを見てマッダレーナは呆然とし、
悔しさと怒りが込み上げて来る。

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一緒に審査していた下っ端アルバートも呆れる。
「こんなのはフィルムの無駄。この子(マリア)が泣き出すことは
誰でも予想がつくはずでしょ、撮る前から」と。
とたんに彼は退室させられる、審査員を侮辱したと。

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マッダレーナはマリアを抱いて階下の審査室に怒鳴り込み、泣き叫ぶ。
「この子の何がそんなにおかしいのよ!」と。

二人は審査室から追い出された。

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撮影所を追い出されたマッダレーナは、
人のいない夜道をとぼとぼと歩き、ベンチに座る。
いままでのチカラがすべて抜け落ち、そばで眠りこけるマリアを抱く。

彼女の頬を涙がとめどなく零れ落ちる。

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その頃、マッダレーナの家には
審査員が下っ端アルバートと一緒に訪れていた。マリアとの契約書を手に! 
だが旦那しかいない。マッダレーナとマリアが帰って来ない。
警察に捜索を頼むかと大騒ぎ。

監督、マリアを気に入ってたもんね(^^♪ 
追い出されたアルバートがいるのは、彼しかこの家を知らなかったからだよ♪

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マリア主演女優抜擢のニュースを知って近所中が大喜び。
むろん夫のスパル蛸も、思わぬ展開に大喜び、
ギャラ200万だってことだし(^^♪

と、そこへ漸くマッダレーナが帰宅する、
眠っているマリアを胸に抱きしめて。

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だが、契約書を手にした審査員の来訪にも
マッダレーナの笑顔は浮かばない。出てくるのはただ、涙。

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そして彼女から出て来た言葉はただ一つ。

「この子を見て、みんなもう十分笑ったでしょう。
これ以上笑いものにはさせないわ。
マリアは誰よりも美しい子よ。
スパルタコ、このひとたちを追い払って」

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スパル蛸は…、いや、スパルタコに戻そう(笑)。
スパルタコはマッダレーナの言葉に従い、
驚いて騒いでいる近所の奥さんたちを追い払い、
映画関係者を追い払う。

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われらが愛する下っ端アルバートは、
去り際、夫スカルタコに手を差し出す。

残念ながらオレの入る隙間はない、と
マッダレーナとスカルタコの愛を祝福したんだよね💛 
旦那は何も知らない訳だけど(^^♪

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寝室へ入ると、
マリアを寝かせてベッドに泣き臥せっていたマッダレーナは
「私を叩けば済むんでしょ、いつもみたいに?」とスパルタコに言う。

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旦那のスパルタコは黙ってただマッダレーナを胸に抱きしめる。
彼女の言葉でなにがあったか想像はつくし、彼女を愛し、
信じてるからなんだよね。
イタリヤ男はアホやけど、そうなると愛は世界で一番深いのよ💛

マッダレーナは返す、
「家のことは心配しないで。私がローマ中の人を糖尿病にしてでも働くから」と。

ヒエ~!マッダレーナ、俺はもう糖尿病だから、
糖尿病が治る注射にしてくれ~!(爆)

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母ちゃんと父ちゃんの愛にたっぷり包まれて眠るマリア💛 
ホント可愛いんだよねえ!

で、お終いなのだが、実はこの物語には後談がある。
驚かないように。

じつはこのマリアちゃんと、アンナ・マニャーニで後日、
『ベリッシマ』という映画が撮られたのだ! 
しかもあのルキノ・ヴィスコンティで!(爆)

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初めに言ったように、とにかくアンナ・マニャーニが素晴らしい。
「私の役はみんなソフィアが持っていってしまう」
とソフィア・ローレンを羨んだというけど、下層で生きる役をやらせたら、
ソフィア・ローレンを初めちょっと後代の女優の比じゃないところがある。

もの凄く骨太で、肉体(無意識)がでかい。唐さんも間違いなく、
こういう女優の肉体を「特権的」と言うんだよ、と言うはずだ。
S・シニョレやジュディ・デンチらにも言えることだけどね。

なぜそんな肉体を持っているのか、
とりあえず私の中では結論は出てる。簡単なこと。
育ちが違う、苦労がもう私たちとは違うんだ、という事💛

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「アンナ・マニャーニ」来歴

父親はエジプト人であると長く紹介されてきたが、実際の父親はカラブリア出身のイタリア人である。母マリーナはアンナを生んだ後、娘を実母に預けてアレクサンドリアへ渡り、裕福なオーストリア人と結婚した。アンナは、祖母の家で祖母と5人の叔母たちから育てられた。第一次世界大戦後にマリーナは帰国してアンナをフランス人修道女が運営する寄宿学校へ入れたが、短期間で終わった。その後アレクサンドリアへ戻った母を追ってアンナもエジプトへ向かうが、母から愛されなかった彼女には苦い思いしか残らなかった。15歳から大衆演芸の舞台に立つ。数多くの作品でウェイトレスや歌手という端役を務めた後、1934年映画デビュー。彫りが深い顔立ち、線の太いいかにも「イタリア女」の風貌で、ロッセリーニ、ルノワール、ヴィスコンティらの作品に出演した。

第二次世界大戦中、ムッソリーニ失脚後、北イタリアはドイツ軍に占領され、ドイツ軍は占領軍使用のため、市民の自動車を徴発した。 自動車を取られたマニャーニは怒って、農家の使う大八車を持ち出し、ドイツ兵に怒鳴りながら、ヴィア・デル・コルソなどの目抜き通りを突っ走ったという。

1935年、映画監督ゴッフレード・アレッサンドリーニと結婚。1942年、一人息子のルカを生んだ。ルカの父親は、当時アンナが交際していた年下の俳優、マッシモ・セラートで、彼はアンナの妊娠を知ると即座に彼女と別れた。彼女はルカに自らの姓マニャーニを名乗らせた(奇しくも、私生児としてアンナを生んだ実母マリーナが、自らの姓を名乗らせたのと同じであった)。

1955年の『バラの刺青』でアカデミー主演女優賞、ゴールデングローブ賞 主演女優賞 (ドラマ部門)を受賞。

晩年に『ふたりの女』の出演依頼がきたとき、マニャーニは母親役をよしとせず蹴ったところ、代役はソフィア・ローレンになり、ローレンはその演技でアカデミー主演女優賞を獲得。「私の役はみんなソフィアが持っていってしまう。」と、後輩の活躍をうらやんだという。

1973年9月、ローマの病院で、膵臓の腫瘍のため死去。晩年の彼女を支えたのは、一人息子ルカと、(一時期交際していたこともあった)ロベルト・ロッセリーニであった。











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