私は私を破壊する権利がある (2003)

[470]映画に活字はいらない、ことばはいらない、映像描写に徹してよ…?


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え? 撮影監督、レナート・ベルタ…?
ゴダールやアラン・レネとよく組んでた、あの…?
と、ちょっとびっくりして借りた作品…。

うん、映像はたしかにレナート・ベルタ風…?
なかなかシャープで、おしゃれで、わたし好み(笑)。
かなり指導したかもね…。

ただ内容がねえ、もうひとつ…?
90年代ニュー・ジェネレーションのひとり、
キム・ヨンハという作家の同名小説を、映画化したらしいんだけど…。

Sという作家が、自殺相談室のPCサイトをやってて、
そのSに相談をもちかける二人のお話…。

ひとりは、
いつも棒アメをなめている若い女のセヨン(イ・スア)。

セヨンは、
タクシー運転手をやってるトンシクという恋人がいるのだが、
トンシクの兄で、ビデオアーティストのサンヒョンとも
セックスをするような女…?

それも、自分が舐めてる棒アメを舐めおわらないうちに、
サンヒョンが自分のほうを見たらセックスしよう、
みたいなゲーム感覚で…?

でも、セックスをしても、生きてても、満たされなくて、
Sに相談して会ってるうちに、自殺してしまう…。
タイトル通り、自分を破壊する権利を行使する…?

でも彼女の恋人のトンシクにはそれが理解できない。
セヨンが自殺したのは、Sにそそのかされたからだと信じて、
Sを襲撃する…。

もうひとりは、行為芸術をやっている女マラ(チュ・サンミ)。

マラはたまたまビデオアーティストのサンヒョンに頼まれ、
自分のパフォーマンスを撮らせる。

その途中、そのビデオを観て、サンヒョンとの作業を中止する。
映っているのは自分の表現ではなく、サンヒョンによって
書き換えられた、サンヒョン自身の表現だったから…?

そしてSに会ったのち、
パフォーマンス中に浴槽の中で手首を切り、やはり自殺する…。
自分で自分の権利を行使する…。

サンヒョンとの繋がりで言えば、
自殺という行為(表現)は、
サンミョン(他人)も書き換えることのできない、
まさに自分の表現だと考えられるから…?

いいかえると、自殺は、
最後に残されたその人間の権利であり、自由であるから…?

この二人のほかに、じつはもうひとり、Sに相談にくる男の子がいる。

自分は生きてる感じがしないので死にたい。
痛くない方法で、しかも自分にも予測できない時に、
自分を殺してほしいと依頼する…。

が、自分はいつ殺されるのかと待っているうちに、
ドキドキしてきて…、

ということは、生きてる感じを取り戻してということなんだけど、
自殺するのは中止したい、生きてみたい、とSに言う。

しかし不条理にも?、
そのあとかれは交通事故であっけなく死んでしまう…?(笑)

そういうお話で、ちょっと面白そうと思うかもしんないけど、
ただねえ、タイトル通りなのよ。

私は私を破壊する権利がある…。
それ以上でもなければ、それ以下でもないっていうの…?(笑)

自殺は生を否定する考えかただ、という人がいる。
それにたいして…、いや、そうじゃない、
自殺もまたそのひとの生の選択なのだ、という人がいる。

作家Sは、そういう考えの持ち主で、
セヨンやマラの自殺を…、生き方を認めてあげる、
いわば心優しき死神ってところなんだけどね…(笑)。

自殺は生を否定する考え方だ、生き方だというひとには、
この作品は衝撃を与えるかもしれないけど、

だよね、誰だって自分を破壊する権利を持ってるよね、
と、あっさり認めてしまうわたしのようないい加減な人間には(笑)、

それ以上のものが描かれてるわけじゃないから、
あんまり面白くはないっていうか…?(笑)

それにねえ、
スクリーンにやたら活字(ことば)が踊るのよ、
いかにも文学的というか哲学的じみた活字が…。
おいおい、ちょっとやめてくれよって感じ…?(笑)

たとえそれが真実だろうと、
ことばにした瞬間にウソになってしまうことがあるんだよね。
そのくらいのことは若くてもわかっててほしい…?

も少し言うと、
セリフにしてもさ、いかにもといったことばは一切吐かずに、
ただひたすら
「私は私を破壊する権利がある」と思ってるこの二人を
描写していけばいいんだよね。

セヨンがなにも言わず、棒飴を舐めながら、
サンヒョンの前でオナニーしてみせるシーンがあって、
そこはちょっといいよなあって思うんだけどさ、
もう全編ひたすらそういうふうな描写に徹していく…?

活字を躍らせるようじゃ文学に勝てないもん。
小説や思想書読んだほうが面白いもん…(笑)。

でも監督の志は好きなので、
わたしとしてはけっこうおすすめ作品なんだけどさ…(笑)。

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■93分 韓国/フランス ドラマ/サスペンス/ミステリー

監督: チョン・スイル
製作: チョン・スイル キム・ヨンハ
原作: キム・ヨンハ
脚本: チョン・スイル
撮影: キム・ソンテ
音楽: キム・ソンス

出演
キム・ヨンミン
チョン・ボソク
チュ・サンミ
イ・スア
チャン・ヒョンソン

悩み相談カウンセラーをしながら自殺の手助けをする作家のSと,彼に自殺を依頼する色々な人物の話を通して,現代人の葛藤と彷徨を描いた映画。
作家で,悩みの相談カウンセラーのSは,人々が各自の好みに合わせて自殺できるように助ける自殺手助け人だ。彼は,自分が死の伝令士であることを自認している。いつも北極に行きたいといっている酒場女セヨンは,弾丸タクシー運転手トンシクのガールフレンドだ。トンシクは,セヨンに対する愛が次第に深くなっていくにつれて,セヨンから実兄サンヒョンのローションのにおいをかぐようになり,兄に対する嫉妬とセヨンに対する執着に陥り始める。そんなある日,セヨンが疑問の自殺をしてしまう。トンシクは,彼女の死は他殺だと考えて,彼女の痕跡をたどり始める。そして,セヨンの財布からSの名刺を発見し,彼の正体を追跡するようになる。
一方,トンシクの実兄で,ビデオアーティストのサンヒョンは,行為芸術家のマラに出会い,マラの行為芸術とビデオアートを接続させる共同作業をするようになる。しかし,マラは,共同作業を止めて自殺手助け人のSに会った後,自分のパフォーマンスの舞台である浴槽で手首を切って自殺してしまう。

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